この春から、会社に就職して新社会人になった方もいらっしゃると思います。
社会人になって、どんな目標をもっていますか?仕事をバリバリこなしてお金を稼ぐ、数年後に出世や独立をするためにスキルを磨く、稼いだお金で好きなことをする・・・いろいろあるかと思います。
あおむしから新社会人の皆様におススメしたい目標が一つあります。それは、「1年間で50万円貯めること」です。今回は、50万円を貯める理由と具体的な貯め方、どうしても無理な時の代案を紹介します。
なぜ50万円を貯めるのか
・達成感を得られるから
⇒一部のブラック企業を除いて、新社会人はまずは仕事を覚えて慣れる、ということが会社に求められていることです。そのため、1年目では仕事でなかなか目に見える成果というのは出しにくく、達成感を感じることが難しいです。
そんな中で、手取り早く達成感を得られるものが、貯金です。多くの新社会人にとって、50万円という金額はこれまでに扱ったことのない額だと思います。そういった金額を稼ぐことができた、というのは大きな達成感を得ることができます。そして、次の年も仕事や貯金を、頑張ろうというモチベーションにも繋がります。
・人生に必要なスキルを身に着けられるから
⇒新社会人でお金を貯めようとするのは、それなりに難易度が高いです。低い初任給でまとまった金額を貯金するためには、節約するために家計簿をつけたり、自炊をしたり、趣味に使うお金の使い道もしっかり考えたりしないといけないからです。
しかし、お金を貯める中で得られたそれらの生活スキルというのは、どんな会社に行こうが独立しようが早期リタイアしようが、一生役に立つポータブルスキルになります。
このスキルを人生の早いうちに得られるかどうかが、今後の人生でどのくらい財産を築くことができるかを、大きく左右します。
調査によると、高卒/大卒が定年までに稼ぐ生涯年収はそれぞれ2億500万円/2億6000万円といわれています。もちろん色々な税金や生活費がかかりますが、高卒の方でも2億のうち1/5の4000万円があれば余裕で定年退職後も豊かな人生を送ることができるはずですよね?でもそれができずに多くの人がお金で困っているのは、この生活スキルが不十分なまま年を重ねて、お金を色々な所に消費してしまっているからなのです。
・資産運用にチャレンジできるから
⇒貯めたお金の一部は、少額でもいいので資産運用に使ってみてほしいです。
資産運用は、適切な商品選択を行えば10年、20年という長期間運用することで大きな利益を生むことができます。若いうちから少額でも資産運用にチャレンジすることで、資産運用をすることに慣れ、時間を味方につけて人生の中盤~後半にかけて資産を雪だるま式に増やせることが大きな理由です。
詳しく書こうと思ったのですが、これだけで1記事が書けるくらいのボリュームになってしまったので、より深く知りたい方に向けては、次回の記事で紹介したいと思います。
資産運用と聞くと「難しそう」と感じたり、「お金の勉強が面倒」と思ったりするかもしれませんが、やることはネットで楽天証券かSBI証券の積立NISA口座を開設して、投資信託のemaxisSlim全世界株式(オールカントリー)を毎月無理のない金額で積立設定するだけなので、トータル1時間あればできちゃいます。そして、資産運用に関してはこれでもう80点です。(商品選択の根拠を知りたい方は、以下の書籍を読むことをおススメします。)
証券口座については、楽天カードや楽天市場、楽天銀行などの楽天サービスをよく使う方は楽天証券、それ以外の方はSBI証券を選んでおけば間違いないです。証券口座の開設リンクは、それぞれ以下の通りです。
50万円を目標にした理由
・節約だけで到達可能な金額だから
⇒初任給の手取り額は、高卒の方で13~14万円、大卒の方で16~18万円くらいが多いようです。ボーナスは考慮せずに50万を貯めるには、月平均で4万円ほどを貯蓄に回す必要があります。
これは中々ハードルが高いですが、それでも節約だけで到達することは可能です。(具体的な生活費は、次の章で紹介します。)副業や転職、怪しい儲け話に乗ったりする必要はありません。そして、節約だけで50万円を貯められれば、生活スキルはとてつもなく上がります。
・3~4か月分の生活防衛資金になるから
⇒50万円というのは、2年目以降の向こう3~4か月分の生活防衛資金にもなります。生活防衛資金というのは、自分が病気になったり解雇されたりして仕事できなくなったとしても、しばらくの間生活を続けて、その間にリカバリーするために必要な貯金のことです。
3~4か月分の生活防衛資金があることで、病気になったとしても4か月までは療養に使うことができますし、仕事を解雇されたり辞めたりしても2か月の転職活動期間+引越し費用にあてることができます。
たとえそのような状況にならなかったとしても、生活防衛資金があることで「いざとなっても大丈夫だ」という気持ちの余裕が生まれ、2年目以降の社会人生活の大きな精神安定剤にもなります。
貯め方
・月の生活費を10~12万円に収める
くれぐれも無理をする必要はありませんが、生活費の内訳は毎月以下の金額になるように頑張ってみましょう。これを1年続けられる頃には、50万円貯められる以上に、あなたの生活スキルは日本の最上位レベルになっています。
なお、都市部だと住居費が高いので、現実的に無理な方もいるかもしれません。その場合どうしたらよいか、最後の章で話します。
住居費:4万円
⇒一人暮らしなので、間取りは1Kで十分です。狭い部屋だとモノを置くスペースが無くなるので、無駄な買い物や水道光熱費を抑えられます。
水道光熱費:1.5万円
⇒自炊が多くなるので、電気代・ガス代はある程度かかることは覚悟が必要です。時間に余裕があれば、電気代はエネチェンジで見直して、より安い所に乗り換えましょう。
通信料:0.5万円
⇒インターネット回線は契約せず、楽天モバイル Rakuten UN-LIMITの通信料無制限プランでテザリングを使用しましょう。(詳しくは以下の記事で紹介しています。)どんなにデータ量を使っても、月額3300円程度で済みます。
もしネットすら不要に感じるなら、月額1000円以下の格安SIMでも良いです。おすすめは、あおむしの妻も加入しているHISモバイルで、7GBで月額990円です。
食費・日用品費:3万円
⇒平日は自炊か休日の作り置きで安く済ませて、週末の外食も1回までに抑えましょう。目安は食費に2.4万円(1日平均800円)、残りは生活に必要な日用品に0.6万円です。
趣味・衣服・交際費:1万円
⇒趣味には優先度をつけて、自分にとって最も大切だと思える趣味以外には、できるだけお金を使わない方法をとります。(例:読書が趣味なら、本は図書館で借りる。)趣味の優先順位付けとお金の絞り方は、以下の記事も参考にしてください。
また、衣服は持っている数を必要最低限に絞ります。こうすることで、服の買い替えコストを減らすことができ、さらに厳選して気に入った服を常に着られるようになるため、生活の満足度も上がります。
交際費に関しては、行きたくない飲み会や約束は断り、自分にとって大切な人とのイベントに使いましょう。(例外的に新人歓迎会は、職場の厚意で自分が主役として企画されているので、参加したほうが良いです。)断っても、案外何も言われないはずですよ。もしも咎められたら、そういう方とはプライベートで積極的にかかわることは避けたほうが良いです。
・ボーナスで一気に貯めようとしない
基本的に、日々の生活費を節約することで貯めていきます。ボーナスが出る方もいるかもしれませんが、できる限りボーナスに頼ることはしないようにしてください。それでは、日々の節約による生活スキルが身につかないからです。
もしボーナスが出るのなら、その使い道は自由に判断してください。貯金に使ってもいいし、結婚資金として貯めておいても、好きな人との特別なイベントに使っても、高くて我慢していた趣味に散在してもいいです。(ただし、浪費癖にならないようにご注意を!)
・怪しい話に乗らない、不要な契約をしない
先ほども述べたように、年間50万円なら、新社会人でも節約だけで貯めることは可能です。一気に貯めようとして怪しい儲け話や投資話に乗ったり、ギャンブルをしたりする必要はありません。また、昨今話題の宗教勧誘も注意すべきです。入ってしまうと、高額な会員費や献金が求められ、自力で抜け出すことも難しいです。
これらは耳障りが良くても、自分からお金を奪っていく存在です。最大限の警戒心をもって対応しましょう。少しでも耳を傾けると、そこから取り入れられる可能性があるので、基本は無視です!(もしも友人から誘われたら、最悪縁を切ることになったとしても、断るべきです。)
また、新社会人で注意してほしいのが無駄な保険やサブスクリプションの契約です。特に保険は、会社の許可を得て構内で営業活動をしていることもあり、何も知らない新社会人は格好のターゲットです。会社が許可しているからといって信頼して話を聞いてしまうと、自分にとって不要だったり過剰な保険商品をたくさん売りつけられます。
あおむしも不要な保険を契約し、後から解約しましたが返金額が少なく10万円近く損をしました。失敗談は以下の記事でも紹介しています。
こういった「お金を奪う存在から身を守ること」も、自分の人生において重要なポータブルスキルになります。
どうしても無理な時は?
入社した会社の給与水準や生活している地域の家賃や物価によっては、現実的に50万円の貯金が無理な方もいらっしゃると思います。そういった方に向けて、ここでは代案を2つ紹介します。
・まずは収入の2割を貯金に回す
⇒自分の毎月の手取りのうち、天引き貯金を利用して2割を強制的に貯めて、残りの手取り額内で生活してください。この方法は、お金の名著といわれる「バビロンの大富豪」の中で紹介されている7つの教えの中で、最も重要な1番目にあたるものです。(本では、収入の1割ですが)
収入の2割を貯金に回せれば、生涯に手取りで1億円得られるとすると、それだけで2000万円が貯まります。数年前に、老後にお金が2000万円足りないという「老後2000万円問題」が話題になりましたが、この教えさえ守っていればこの問題は解決できてしまいます。
・転職も検討する
⇒給与水準が低く、将来的にも収入アップが見込めないような会社ならば、思い切って転職も検討に入れましょう。
新社会人~入社3年目以内の場合は、第二新卒という枠で募集が掛けられており、広い職種・業界に転職するチャンスがあります。面接時に問われることも仕事での実績ではなく、学生時代や社会人になってから頑張ったこと、仕事をする上で心掛けていること、自分の強みなどです。仕事で大きな実績が残せてなくても、全く気にすることなく転職活動できます。
逆に、入社3年目以降に転職活動をすると、必ず仕事での実績が問われます。ブラック企業などで、仕事は激務のわりに大したスキルが得られない場合だと、転職活動の際も苦労します。あおむしも転職しようとしたことがあったのですが、当時アピールできるスキルが少なく諦めた経験があります。
転職サービスは、まずはリクルートエージェントをおススメします。エージェントとよばれる転職活動の仲介をしてくれる方がいるので、一人では考えるのが難しい履歴書・職務経歴書の書き方や面接のアドバイスをしてくれます。
また、こちらから申し込まなければ、エージェントとかかわらずに求人募集を眺めるだけもできます。求人情報の数は、転職エージェント型のサービスの中でも日本最大を誇るので、幅広い職種・業界の求人を探すことができます。キーワードで「第二新卒」で検索すると良いです。
転職エージェントのサービスは、求職者は無料で利用できますが、会社は転職決定時にエージェント会社に対して報酬(おおよそ、転職者の年収分)を支払います。そのため、人材採用にコストをかけないブラック企業は比較的少ないと言われています。
これらの理由から、転職サービスはリクルートエージェントをおススメします。もっと本格的に転職を検討する場合は、業界に特化した転職サービスや、ビズリーチなどのハイクラス向けの転職サービス(意外と、入社年数の浅い方でも求人があります。)をあわせて使うのも良いです。
最後に
新社会人になり、お金の面ではいろいろと自由が利くようになります。ただ、それに慣れてしまってどんどんお金を使ってしまうと、将来本当に必要な時にお金がなく、人生が辛くなってしまう可能性があります。
それを回避し、さらに将来大きな資産をつくって自分が満足感を感じる豊かな生活を送るために、今から人生の最後まで使える、生活スキルを磨いておきましょう。
ではまた。