新社会人になったら、ぜひ始めてみてほしいのが資産運用です。
今回は新社会人に向けた記事の第2弾として、資産運用が必要な理由、新社会人から資産運用を始めるメリット、そして具体的にやることの3点をできるだけわかりやすい言葉で紹介します。
★こちらは、以前の記事「新社会人は頑張って1年に50万円ためてみよう」の続きです。まだ読んでいない方は、そちらから先に読むことをおススメします。
なぜ資産運用が必要なのか
現代で大きな資産を築いていく上では、貯金だけでなく資産運用もほぼ必須になります。その理由を簡潔に言うと、将来、貯金だけでは自分の人生に必要になるお金をまかなうことは難しいから、です。
その理由は、大きく2つあります。
・インフレでお金の価値が目減りしていくから
最近の日本は外国の影響をうけてインフレ(物価があがること)してきています。インフレするとモノの値段があがっていくため、相対的にお金の価値は下がっていきます。
例えば、今年150円で買えていたペットボトル飲料が、次の年に160円に値上がりしていたら、今持っている150円では買えなくなってしまいますよね?これは、見方を変えればお金の価値が下がった、ということができるのです。
これを回避するためには、インフレのスピード以上に資産を増やしていく必要があるのですが、現代においてそれを可能にする手段が資産運用です。
例えば、低コストの外国株インデックスファンド(意味は今わからなくてOK)を20年間運用し続けると、だいたい2倍くらいにお金が増えるという調査結果があります。(詳しくは下記の本で紹介されています。)
現在の日本の経済政策では毎年2%のインフレを目標にしているのですが、20年で2倍にお金が増える(年平均に換算すると4%の増加)なら、この程度のインフレ率ではお金の価値が相対的に下がることはまずありません。
もちろん、この調査結果は過去のことで未来はどうなるかわかりませんし、資産運用の途中ではたくさん儲かるときもあれば、時として暴落して半分以上失うときもあります。しかしそれでも、世界経済は成長を続けているので、長期間運用すればこの調査結果と似た未来になる可能性は高いです。これが、資産運用をする第一の理由です。
・会社員としてお金を貯めることが難しくなっているから
歴史の教科書で学んだかもしれませんが、以前の日本は高度経済成長と呼ばれる時代があり、経済成長とともに人口も爆発的に増加していました。
このような環境では、若い人がどんどん増えます。そうなると、労働力も豊富にあるので、働けば働くほど経済は成長してお金を稼ぐことができました。また、仕事はやってもやっても増え続けるので、会社は社員を解雇したりリストラする必要が無く、一度入ったら定年まで同じ会社で働き続ける「終身雇用」も成り立っていました。そして、同じ会社で40年働いた後は、その見返りとして数千万円の退職金を得て、場合によっては貯金しなくても、悠々自適な老後を過ごすことができていたのです。
しかし、現在はそうはいきません。
30数年前にバブル崩壊が起こり、それ以降日本の経済は停滞したままです。また、様々な要因によって少子高齢化も進行しています。
このような環境では、若い人が逆にどんどん減ります。労働力は少なくなる一方なので、経済も成長しません。そうなると、会社はお金が足りなくなっていくので、社員の人件費をどんどんコスト削減して、給料や退職金も減っていきます。それならばまだ良いほうで、最終手段として人員削減で解雇やリストラも行われるようになるため、一つの会社に勤め続けることも難しくなります。
また、高齢者の人口が多くなっていくので、社会保障費もたくさん必要になります。すると、そのお金を捻出するために様々な税金の税率が上がったり、新しい税金が設けられたりして、給料から天引きされてしまいます。
こういった給料減、雇用の不安定化、税負担増のトリプルパンチで、何も対策をせずに会社員を続けているだけでは、人生に必要なお金を貯めることがどんどん難しくなっているのです。
そこで、資産運用の登場です。貯金する額の一部を資産運用に回すことによって、先ほども述べたように10年、20年という時間をかけると大きく資産を増やすことができます。また、資産運用には利益に対して税金がかからない制度(NISAなど)も準備されており、増え続ける税負担の影響を回避することもできます。
こうして、貯金だけでは準備しきれない人生に必要なお金も、資産運用をすることで将来準備できる可能性が高まります。これが、資産運用をする第二の理由です。
新社会人(若い頃)から資産運用を始めるメリット
・時間を味方につけて資産を大きく増やすことができる
⇒資産運用は、適切な商品選択をすれば10年、20年、30年・・・と時間をかければかけるほど資産の伸びが急激になっていきます。(これを複利効果といいます。)若い頃から資産運用を始めておくと、長く運用できるので、資産運用をしなかった方に比べて人生の後半になればなるほど資産額の差が開くことになるのです。
新社会人のうちから資産運用を始めておくことで、例えば老後資金を準備するなら、退職まで約40年間の運用期間をとることができます。毎月2万円を資産運用に回し、年平均4%で運用できたとすると38年後(大卒の方が定年する頃)には約2063万円、42年後(高卒の方が定年する頃)には約2515万円になっています。これだけでもう、老後2000万円問題が解決する規模です。
社会人として昇給やキャリアアップをすれば、資産運用に回せる額は増えていくので、これよりもさらに大きな資産を築くこともできます。
・運用に慣れることができる
⇒若い頃から少額で資産運用を始めておくと、運用に慣れることができます。最初のうちは日々の値動きに一喜一憂することもあります。しかし、運用を数年も続けていると毎日の値動きにも慣れて、毎日の数万~数十万の変動くらいでは動じなくなります。どうしても値動きが気になってしまう場合は、普段は証券口座を見ないでおいても問題ありません。最低限、1年に1度、運用状況を確認するくらいで良いです。
また、時には暴落に見舞われてしまうこともあるかもしれません。若いうちの暴落は、ショックで寝込むかもしれませんが、大きな額ではないので人生が終了してしまうことはありません。そして、暴落が起きても売らずに我慢し続けることができれば、数年後にはたいてい株価は元に戻っています。暴落しているときにも買い続けていれば、株価が元に戻るよりも早く資産額は元に戻ります。
こうして徐々に日々の値動きや暴落に対する耐性を付けておくことで、資産額が大きくなったときに変動幅が大きくなったり、大きな暴落に見舞われたりしても、「まあ、いつものことさ」「数年もすれば元に戻るさ」と楽観的になれたり「今がチャンスだから無理のない範囲でお金を仕込んでおくか」と前向きにさえも考えられるようになります。
時間と経験を味方にして資産運用ができるのは、若い人だけに与えられた特権です。ぜひまずは最初の一歩でチャレンジしてみましょう。
・最悪失敗してもリカバリーできる
⇒20代、30代で運用を失敗してしまったとしても、最悪本業で頑張って稼ぎなおせば、いくらでもリカバリーすることができます。
もし変な運用商品を選んでしまって損失を出し続けてしまったなら、それを反省して稼ぎなおしたお金で適切な運用商品に切り替えることができます。
もし大暴落に見舞われて資産の半分以上を失い、(やってほしくないですが)心が折れて資産運用から退場してしまっても、また稼ぎなおせば生活に最低限必要なお金は確保できます。
具体的にやること(これをやれば80点!)
★以前の記事でも紹介した内容ですが、おさらいです。
資産運用と聞くと「難しそう」と感じたり、「お金の勉強が面倒」と思ったりするかもしれませんが、やることはネットで楽天証券かSBI証券の積立NISA口座を開設して、投資信託のemaxisSlim全世界株式(オールカントリー)を毎月無理のない金額で積立設定するだけなので、トータル1時間もあればできちゃいます。そして、資産運用に関してはこれでもう80点です。(もうちょっと根拠を知りたい方は、以下の本を見てみてください。)
80点から100点を目指すと、資産運用についての勉強が必要になるので、かなり時間がかかります。その割に、資産の増加率はたいして変わりませんし、下手すると変な商品に手を出して資産を失う可能性すらあります。
80点の資産運用ができたら、あとは1年に一度証券口座を確認して、もし収入が増えていたら毎月の積立額をアップさせる、それくらいで十分です。
以下に、証券口座のリンクを貼っておきます。楽天カードや楽天市場、楽天銀行などの楽天サービスをよく使う方は楽天証券を、それ以外の方はSBI証券を選んでおけば、間違いないです。
最後に
今回は新社会人に向けての記事でしたが、それ以外の方のお役にも立つ、資産運用についてのエッセンスをまとめたような記事になったと思っています。
資産運用にとって、若さは最大のアドバンテージです。若い頃から資産運用をしていくことで、人生に必要なお金を貯めて、さらには豊かな人生を送れる可能性も高まります。
最初は少額で、運用の効果を実感することが難しいかもしれません。しかし、その期間を超えて資産が大きく増え始めたら、あなたの人生にとって大きな助けになってくれるはずです。ぜひ、今から資産運用を始めてみましょう。
ではまた。