新NISAが2024年から始まりますね。
皆さまは新NISAに向けた準備は完了しましたでしょうか。
我が家は11月に夫婦で新NISAの方針を決めて、積立設定を完了しました。
今回は新NISAに向けて
- 証券会社
- ファンド
- 積立額
- 特定口座をどうするか
といった方針を決めた話を紹介します。
どの証券会社を使うか
結論:楽天証券にしました
新NISAを利用するうえでまず迷ったのが、どの証券会社を使うかでした。
我が家は積立NISAでこれまで楽天証券を使っていましたが、最近はSBI証券の方がお得だという話をよく聞きます。
証券会社はこの2択でした。
結論から言うと、
証券会社は楽天証券を使い続けることにしました。
理由は
- 口座移管の手続きに時間と手間がかかる
- NISA口座が分散して管理が面倒
- お得なサービスが永遠に続くとは限らない
- もらえるポイントは長期で見ると誤差程度
からです。
理由を順番に紹介します。
1.口座移管の手続きに時間と手間がかかる
新NISAを楽天証券からSBI証券に切り替えるには、以下の手続きが必要です。
- 楽天証券から勘定廃止通知書を入手
- SBI証券で口座開設
- SBI証券からNISA口座開設届出書を入手
- SBI証券に必要書類を提出
これらの手続きは相応の時間と手間がかかります。
特に、2023年末はNISA口座の移管をしたい人が殺到しているらしく、勘定廃止通知書やNISA口座開設届出書の入手に数週間かかる※ようです。
※通常は2〜5日程度とのこと
この期間中は、書類がなかなか届かずにヤキモキしたり、新NISAに向けた準備が中断されてしまったりするのが、私は耐えられませんでした。
やると決めたら一気にやってしまいたい性格なので。
2.NISA口座が分散して管理が面倒
新NISAの移管手続きをしても、これまで楽天証券でやってきた積立NISAの口座までは移管できません。
そのため、新NISAをSBI証券に切り替えると、NISA口座が2つに分散します。
このように、証券口座で運用するお金が分散して、管理が面倒になると考えたのも、移管をやめた理由です。
例えば、
我が家では証券口座はマネーフォワードMEで一元管理しています。
画面は以下のようになっていますが、登録する証券口座が増えると、その分だけ管理画面が縦に長くなって資産の全体像がわかりづらくなります。
今ですら、夫婦と子どもの証券口座が3つに分かれるのが、わかりづらいと感じています😅
また、口座が分散するということは、証券口座からお金を取り崩す時も、どちらの口座から引き出すか?を考える必要があり面倒です。
いずれも資産形成するうえでは、大した影響の無いことのように思えるかもしれません。
しかし、私はできるだけシンプルに、ストレスを溜めずに資産形成するのが大切と考えており、証券口座が分散する新NISAの移管はやめました。
3.お得なサービスが永遠に続くとは限らない
SBI証券にする最大のメリットは、投信マイレージがあることです。
投信マイレージとは、保有している投資信託の残高に対して、毎年一定のポイントが付与されるサービスです。
この投信マイレージの有無が、楽天証券との最大の違いであり、多くの人が今回の新NISAを機にSBI証券へ移管する動機になっています。
しかし、このお得なサービスが一体いつまで続くかは疑問です。
あくまで持論ですが、
数年後にはどの証券会社からも、投信マイレージやクレカ積立のポイント付与のようなお得なサービスが無くなっても不思議ではないと思います。
証券会社側にとって、ユーザーの囲い込みに成功した後もお得なサービスを提供し続けるのは、損になるだけだからです。
4.もらえるポイントは長期で見ると誤差程度
もらえるポイントは長期で見るとただの誤差です。
例えば、
新NISAの上限1800万円の投資信託を購入して20年保有したとしても、還元率が0.03%ではポイント還元は10.8万円分です。
1800万円を投資した場合だと、一日の変動でこの程度の儲けは軽く吹っ飛びます。
1%の変動でも18万円ですからね。
さらに、仮に最初の5年で投信マイレージのサービス終了したら、毎年の上限360万円を投資したとしても、もらえるポイントはわずか1.6万円分です。
これらを考慮した時、投信マイレージでもらえるポイントよりも、上記で紹介した口座を移管するデメリットの方が大きいと判断しました。
まとめると、新NISAは楽天証券を使い続けることにしました。
その理由は
- 口座移管の手続きに時間と手間がかかる
⇒書類の入手に数週間。 - NISA口座が分散して管理が面倒
⇒家計簿アプリの画面が見づらくなる。
⇒年老いたときに操作できるか疑問。 - お得なサービスが永遠に続くとは限らない
⇒5年後にはサービス終了してもおかしくない。 - もらえるポイントは長期で見ると誤差程度
⇒20年保有しても、得られたポイントは株式市場の1日の変動で吹っ飛ぶ。
どのファンドを選ぶか
結論:全世界株式の投資信託にしました
証券会社を決めた後は、どのファンドを買うかで迷いました。
こちらも結論から言うと、
ファンドはeMaxisSlim全世界株式(夫は日本除く、妻はオールカントリー)に決めました。
理由は
- ポートフォリオをシンプルにしたかった
- 購入したら放置しておきたかった
- eMaxisSlim全世界株式は実績があるから
からです。
1.ポートフォリオをシンプルにしておきたかった
投資信託一本にした理由は、将来の管理の手間も考えて、ポートフォリオ(資産配分のこと)はシンプルにしおきたかったからです。
将来リタイアして、投資資産からお金を取り崩すフェーズになったら、(特に老後は)以下の過程を踏んで現金化するのは複雑・面倒だと考えました。
- どのアセットを売るか
例)株、債券、金… - どの商品や株を売るか
例)A社株、B国債券、C投信… - いくら売るか
例)10万、100万…
このため、債券や個別株、金などは買わず、投資信託一本で運用することに決めました。
投資信託一本にすれば、
ポートフォリオは現金と投資信託の極めてシンプルなものになり、資産の維持管理は現金と投資信託の保有比率を考えるだけで済みます。
また、お金を取り崩すための売却の手間も、証券会社のページにログインして、投資信託の売却手続きだけで済みます。
これなら年老いてもできそうです。
万が一、寝たきりになって妻や子どもに資産管理を任せることになっても、運用方針や操作方法の引継ぎが簡単にできます。
2.購入したら放置しておきたかった
購入する投資信託で全世界株式を選んだ理由は、いちど購入したら取り崩しまで、ずーっと放置しておきたかったからです。
全世界株式は世界の3000社~8000社の株式から構成(商品によって異なります)されており、各社や各国の比率をファンド内で調整してくれます。
これにより、各社の業績や国ごとの情勢を気にせず、購入してから取り崩すまで放置可能です。(大きな景気の波だけは気にしておく必要がありますが)
長期の資産形成をするにあたって、一番の大敵は市場の頻繁なチェックと頻繁な売買だと言われています。
米国の著名な投資コンサルタントのチャールズ・エリス氏の「敗者のゲーム」という著書では、頻繁な売買を繰り返すことで、市場平均に比べて数%以上リターンが劣ることが紹介されています。
また、資産運用のリターンが大きかった人の統計を取ると1位が亡くなった人、2位が投資していることを忘れた人・・・という逸話も紹介されています。
複数の投資信託や個別株を保有、時おり売買していましたが、この本を読んでからは資産運用は投資信託を購入したら後は放置するという考え方に改めました。
3.eMaxisSlim全世界株式は実績があるから
そして、購入するファンドは
- 妻はeMAxisSlim全世界株式(オールカントリー)
- 夫はeMaxisSlim全世界株式(除く日本)
にしました。
数ある全世界株式の投資信託の中で、eMaxisSlim全世界株式を選んだ理由は
- 純資産総額が大きいから
⇒簡単にファンドが解散しない - 手数料が最安クラスだから
⇒他ファンドが引き下げたら、追随してきた - 夫が除く日本にしたのは、日本の将来に希望を感じないから😅
です。
一言でまとめると、規模の面でもコストの面でも、実績があり信頼できるファンドだからです。
このあたりの魅力は、youtubeの動画や書籍「ほったらかし投資術」を見て勉強するのがオススメです。
まとめると、
まとめると、新NISAで買うファンドはeMaxisSlim全世界株式にしました。
その理由は
- ポートフォリオをシンプルにしたかった
⇒投資信託1本なら、現金との比率を考えるだけで良い。 - 購入したら放置しておきたかった
⇒全世界株式なら各社や各国の比率をファンド内で自動調整し、買ったら放置可能。
⇒頻繁な売買はリターンを下げる要因になる。 - eMaxisSlim全世界株式は実績があるから
⇒純資産額が大きく簡単に解散しない。
⇒手数料が最安クラスで、他ファンドが引き下げても追随してきた。
毎月いくら積立するか
結論:妻毎月10万円・夫毎月20万円にしました
どのファンドを買うかを決めたら、夫婦で毎月いくら積み立てるか決めました。
これも結論から言うと
- 妻は毎月10万円を積立(積立投資枠のみ)
- 夫は毎月20万円を積立(積立投資枠10万+成長投資枠10万)
にしました。
理由は
- 夫婦のリスク許容度に応じた積立額にしたい
- セミリタイアまでにまとまった金額を入金しておきたい
- 株価下落に備えて、現金は温存しておきたい
からです。
1.夫婦のリスク許容度に応じた積立額にしたい
投資で資産運用するうえで最も重要なのが、リスク許容度です。
リスク許容度とは、いくらまでなら投資で資産額が増減しても受け入れられるかを指す度合いです。
どちらかというと、株価が暴落したときにどのくらいまで精神的に耐えられるかの意味合いが大きいです。
リスク許容度の大きさは個々人で違います。
我が家も、妻と夫で違います。
- 妻は投資経験が積立NISAのみで、リスク許容度が高くない
- 夫は投資経験が長く、リスク許容度が高い
そのため、
妻はドルコスト平均法でリスク分散できる長期間でのコツコツ入金
夫は新NISAで投資効率が高いと言われる短期間でのまとまった額の入金
が良いと判断しました。
なお、妻に関しては、これまで積立NISA毎月3.33万円の積立だけしていました。
しかし、子どものジュニアNISA毎月6.66万円の積立が2023年で終了するので、その合計10万円までの積立はやってもらえるようにお願いしました。
妻にとっては受け入れるリスクが大きくなるので、様子を見て、耐えられないようなら減額しようと思います。(夫任せで基本放置なので、あまり心配してませんが)
2.セミリタイアまでにまとまった金額を入金しておきたい
セミリタイアに向けて資産形成に励む我が家ですが、投資は各種NISAと夫の特定口座を多少やっている程度なので、資産に占める投資の比率は30%程度です。
セミリタイアを目指す2026年末までには、投資の比率を50%程度にまで上げたいと考えています。
投資比率を上げておきたい理由は、将来の取り崩しに向けて、投資資産を増やしておきたいからです。
取り崩しを開始する時期(現状ではフルリタイアする60~65歳以降)には、投資からの取り崩しだけで最低限必要な生活費を賄いたいと考えています。
一般的に、取り崩し額の25倍の投資資産があると、取崩しを行っても長期で資産が長持ちすると言われており、最低限そのくらいの額する必要があります。
以前作った資産シミュレーターで計算すると、10年以内に投資比率を70%程度にする必要があるとわかりました。
これを達成するために、まずは向こう5年で上記で設定した積立額を継続し、資産に占める投資比率を徐々に上げることにしました。
3.株価下落に備えて、現金は温存しておきたい
常に数年分の生活資金を現金で確保し、あわよくば追加投資できる余剰資金も温存できる体制をとっておきたいと考えています。
現金を温存する最大の理由は、株式市場の暴落です。
資産が投資に偏重すると、株式市場の暴落時に一気に資産が減少します。
暴落で資産が一気に減り、気が動転して損切りしたり、いつもと同じ額を取り崩したりしたら、セミリタイアやフルリタイアは遠のきます。
そのため、暴落からの数年間は、現金だけで生活したいと考えています。
一方で、株価暴落はチャンスでもあります。
暴落時に余剰資金から追加投資できれば、その後の回復でリタイアが早まる可能性が高くなります。
このような理由から、投資額は無理して新NISAの枠上限を目指さず、先ほど紹介した夫婦のリスク許容度の範囲内にしました。
投資額の目安としては、
- 向こう10年で2400万円を新NISAに回す
- 残りの非課税投資枠1200万分は暴落が起きたタイミングで、スポット的に購入して埋める
ことを考えています。
まとめると、新NISAの毎月の積立額は妻10万円、夫20万円にします。
理由は
- 夫婦のリスク許容度に応じた積立額にしたい
⇒妻が高くなく、夫は高い。 - セミリタイアまでにまとまった金額を入金しておきたい
⇒向こう10年で投資比率を70%くらいに。 - 株価下落に備えて、現金は温存しておきたい
⇒暴落したら数年は現金で生活できるように。
⇒余剰資金を追加投資してリタイアを早める。
からです。
特定口座はどうするか
結論:特定口座は一括売却しました
これまで各種NISAの他に、夫は特定口座(利益に税金がかかる証券口座)で全世界株式以外の投資信託や個別株を保有していました。
これらは11月に一括売却しました。
その理由は
- ポートフォリオをシンプルにしたかった
- いずれ課税口座にかかる税金があがると思った
- 利益が出ており、売っても後悔は少ないと思った
からです。
1.ポートフォリオをシンプルにしたかった
現金+投資信託1本の極めてシンプルなポートフォリオを目指した結果、これまで気まぐれで買ってきた他の投資信託と個別株は邪魔だと感じました。
また、特定口座はSBI証券で開設していましたが、将来の口座管理の手間を考えると、複数の証券口座にお金を入れるのはやめて、夫婦ともにNISA口座がある楽天証券で一本化しようと考えました。
2.いずれ課税口座にかかる税金があがると思った
特定口座で得た利益には、現在20%程度の税金がかかります。
例えば、
100万円の株を買って120万円に値上がりしていたら、売った時の利益の20万円には約4万円の税金がかかります。
新NISAでは1人で1800万円もの非課税投資枠があるのに、税金がかかる口座にお金を入れ続けるのは非合理的だと考えました。
さらに、新NISAで非課税枠が緩和されたため、それと引き換えに課税口座にかかる税率が、近い将来引き上げられると私は予想しています。
税率アップが本当にあるのか、それがいつになるかはわかりませんが、その時になって焦って売却するのも面倒に感じ、新NISAに切り替えるこのタイミングで特定口座を清算してしまおうと考えました。
3.利益が出ており、売っても後悔は少ないと思った
ここ最近の株高や円安で、特定口座で保有していた投資信託や個別株もトータルでは利益が出ていました。
ある程度の利益が出た状況なので「現金で持ち続けてたよりもマシになった」と考えれば、今後相場が上がろうが下がろうが後悔は少ないと思い、売却しました。
まとめると、私が特定口座で保有していた投資信託や個別株は全て売却しました。
その理由は
- ポートフォリオをシンプルにしたかった
⇒現金+投信1本のポートフォリオを目指すと、他の投資信託や個別株は邪魔な存在に。 - いずれ課税口座にかかる税金があがると思った
⇒非課税枠があるのに、課税口座にお金を置き続けるのは非合理的。
⇒税金が上がる時に焦って売却するのも面倒。 - 利益が出ており、売っても後悔は少ないと思った
⇒「現金を持ち続けるよりはマシだった」と考えれば、今後上がっても下がっても後悔は少ないと判断。
最後に
我が家の新NISAに向けた方針と、そのように決めた理由を紹介しました。
結論は、
- 証券会社は楽天証券を継続
⇒SBI証券への移管手続きは時間と手間がかかる。
⇒NISA口座が分散すると今後の管理が面倒。
⇒お得なサービスが今後も続くは疑問。
⇒もらえるポイントも長期で見ると誤差程度。 - ファンドはeMaxisSlim全世界株式
⇒購入したら、取崩しまで放置しておける。
⇒他の全世界株式よりも信頼と実績がある。 - 積立額は妻:毎月10万円、夫:毎月20万円
⇒夫婦のリスク許容度に応じて積立額を決定。
⇒向こう10年で投資比率を上げたい。
⇒暴落に備えて現金も温存しておきたい。 - 特定口座は一括売却
⇒現金+投資信託1本のポートフォリオを目指すうえで、他の投信や個別株が管理面で邪魔に。
⇒利益も出ており、良い機会だと思い売却。
にしました。
新NISAは、我が家にとってセミリタイア達成に向けた屋台骨となる制度です。
- 積立額を増やす攻めの姿勢
- ある程度の現金も確保しておく守りの姿勢
2つのバランスをとりながら、まずは今回決めた方針をセミリタイア達成の2026年度末まで継続します。
我が家の方針や、それを決めた過程・理由が、皆さまの新NISAに向けた方針検討の参考になれば幸いです。
ではまた。