パートナーがいる方にとって、相手にお金や将来の話をすることは、けっこう勇気がいるという方も多いのではないでしょうか?あおむしもその一人です。勇気をもって話せないまま、ずるずると結婚後数年を過ごしてしまっていました。
今回は、そんな私がお金と将来の話を妻にしようと決意したキッカケと、初めて話をした時のことを振り返ります。
- 家計管理は自分がずっとやっていた
- お金と将来の話をしようと思ったキッカケ
- お金と将来の話をするための作戦
- お金と将来の話を切り出した時
- パートナーからの要望を受け止める
- お金と将来の話を定期的にするように
- 最後に
家計管理は自分がずっとやっていた
あおむし家では、結婚して以来家計の管理はずっと私が担当していました。自分と妻の口座をマネーフォワードMEで連携して、(あまり良くないですが)自分のクレジットカードを妻に渡して生活費はすべて自分の口座から引き落とされるようにもしていました。
妻は、特に子どもができてからは仕事に育児にと忙殺されており、とてもじゃありませんがお金や将来のことを考える余裕はなさそうでした。そのため、毎月のお金は自分が管理し、節約などは自分の手が届く範囲内だけでやっていました。そして、将来のことは落ち着くまでは放置・・・という状態でした。
お金と将来の話をしようと思ったキッカケ
そんなあおむし家にも転機が訪れます。それは、私がうつ病で休職した時です。
うつ病で休職し始めて最初のうちは、もはや何もできる気力はなく、それまでやっていたお金の管理も手付かずになりました。また、その時は妻や子どもも育児休業で自宅にいたため、何もできない自分を傍らに子どもの世話で忙しそうにする妻・・・という構図ができあがり、お互いにとって大きなストレスになっていました。正直、この頃の夫婦関係は最悪でした。お互い事情は知っているので口は出さずケンカこそしませんでしたが、私は離れの部屋へ半ば逃避するように引きこもってしまい、家庭内別居に近かったです。
しかし、それからしばらくすると、妻が仕事に復帰し、子どもも保育園で預かってもらえるようになります。保育園がなかなか見つからない、といわれている昨今、これはとても幸運でした。また、そのころには私の体調も徐々に復調し、妻や子どもがいない日中に少しずつ活動できるようになります。これまで妻が全部やってくれていた家事や育児の一部を分担できるようになりました。子供の手が少し離れたせいか、妻も休業中の頃に比べて少し元気を取り戻したように見えました。
このとき家計の管理も再開しました。久しぶりに家計簿を見て、私は驚きます。月の生活費が以前に比べて1.5倍ほど、金額にして35万オーバーになっていたのです。原因は、ストレスを抱えていた私と妻の浪費でした。私はフードデリバリー、妻は外食が増加、そして子供の保育料・・・それらが家計を圧迫していました。
また、同時期に私はYouTubeや本などでセミリタイアというライフスタイルがあることを知ります。休職中という期間を使い、その生活の一部を実践してみた私は、この生き方に魅了されます(詳しくはプロフィール)。そして、家計を管理していた私は夫婦の現在の資産状況から、そう遠くない将来にも実現可能であることを把握しました。
こういった経緯から、私はお金と将来の話を妻にも打ち明け、一緒に情報をシェアしながら、夫婦の理想の将来をすりあわせていく必要があるな、と感じました。
お金と将来の話をするための作戦
とはいえ、これまで全く話してこなかったお金と将来について、話し出すのは相当な勇気がいりました。子どもが生まれたばかりの頃、少しだけ将来の話をしてみたことがあったのですが、その時は「今はいっぱいいっぱいで考えられる状況にない」と言われ、そこで終了してしまっていたからです。
以前に比べて妻の状況は少し良くなってはいますが、特にセミリタイアしたいという話の持っていき方を間違えると、私が嫌な仕事をやめてニートやヒモになりたい、という解釈になる可能性があり、夫婦関係を悪化させかねませんでした。
そこで私は、お金と将来の話をしやすくなるように以下の作戦を練りました。
作戦1:日頃からお金の話をしてみる
⇒日頃から少しずつお金を気にするような話をしてみて、妻がどう感じているかを探っていきました。
「保育料って意外とかかるんだねぇ」
「格安SIMに乗り換えたら通信料がこんなに安くなったよ!」
「戦争のせいで、電気代だんだん高くなってきてるね」
「(ニュースを見て)え~またこの食料品値上がりなの!」などなど・・・
妻の反応も、「お金がかかるの嫌だよね」と同意してくれたり、「私も携帯安くしようかな」と前向きにとらえてくれている感じで、話を日常的に挟んでいくうちに徐々に手ごたえがを感じるようになりました。
作戦2.自分のモノを減らしてみる
私に活動時間ができて家の掃除をするようになってからは、本を読んで感銘を受けたミニマリストの生き方(ちなみに、以下の本です)を参考に、自分のモノを徹底的に減らしていきました。妻から「最近、色々捨ててるけどどうしたの?」と聞かれた際は、「自分のモノを減らすと暮らしやすくなるし、お金も節約できるんだよ」と話して、ここでもお金の節約というキーワードを出しました。妻自体は自分のモノを減らすことに積極的ではありませんでしたが、反応は上々でした。
作戦3:当日は落ち着いて話せる場をセットする
⇒話を切り出す時間と場所も大切だと考えた私は、そのセッティングも計画的に行いました。
まず、時間は日中が良いです。夜だと家事に疲れ果てて話をする気力がないのと、気分が感傷的になったり逆に熱っぽくなったりと、冷静な話ができなくなる可能性があったからです。夜中に描いたラブレターを翌朝になって見返すと、絶望的にダサくてキモイという経験はありませんか?それと同じです。
また、場所は家ではなく、混んでいないカフェにしました。周りの人の目につくかもしれない場所にすることで、お互いに話がヒートアップして怒ったり泣いたりせず、落ち着いて話せるようにするためでした。
子どもも両親に預けました。子どもがいると面倒を見るのにいっぱいいっぱいで、じっくり話せないからです。両親が近くにいない方は、子どもを保育園やベビーシッターのサービスに預けている間にすることをおススメします。
お金と将来の話を切り出した時
カフェに入ってから、最初のうちはとりとめもない会話をしていました。二人きりでどこかに出かけるのは久しぶりだったので、なんだか恋人時代を思い出します。日ごろの忙しさから解放されて、少しずつリラックスした雰囲気になったところで、ついに話を切り出しました。
「今日二人だけでここに来たのは、ゆっくり相談したいことが3つあって・・・」
話すハードルが低い順に、話していきました。
1.お金のこと
今は自分が付けている家計簿をいっしょに管理していきたい、ということをまずは伝え、今月の生活費がどんな感じだったかを簡単に話しました。
いつもはだいたいこれぐらいの予算でやっているけど、今月は食費がけっこうオーバーしてしまった、保育料もけっこう家計を圧迫している・・・という課題点を話して、どうしていけたら良いのか少し一緒に考えを出してみました。
2.資産状況の共有
これまで妻にとってはブラックボックスだった、自分の銀行口座と証券口座のことを公開し、今の夫婦の総資産がどのくらいになるのかということを話しました。
私の予想では、いきなり総資産のことを話されてビックリしたり、お金があるなら贅沢したいと言われたりするのかと思っていましたが、意外にも妻の反応は冷静?で「へー、そうなんだ」という感じでした。この反応を見て、この話題はサラッと終わらせて、最も重要な3つめの話をそのまま続けることにしました。
3.セミリタイアしたいこと
「仕事が辛くてうつ病になってしまい、最近は少しずつ元気になって復職できそうだけれど、復職してもまた再発してしまうかもしれない。そうなったときは、今の仕事をやめて、もう少し負荷の低い仕事に就きたい・・・」自分の気持ちを率直に、まずは伝えてみました。
続けて以下のことを伝え、負荷の低い仕事(=年収の大幅ダウン)になってもなんとかなるし、今の生活も良くなるということを説明しました。
・今の資産状況だと、あと5年ほど頑張ればお互いが負荷の低い仕事で収入がダウンそても生活ができる。
・お互いが負荷の低い仕事になれば、もっと家庭のために時間を使える。
・今の仕事でなければ、妻か自分の実家のそばに引越して、両親の援助も得ながら子育てができるようになる。
・ちょうどその時期には子どもが小学生になるので、子どもにとっても引越しの影響が少ない。
これらのことを、時間をかけてゆっくり丁寧に伝えました。
パートナーからの要望を受け止める
特にセミリタイアしたいという話を丁寧に伝えた結果、はじめは少し驚いた様子でしたが、冷静に受け止めてもらうことができました。自分ばかりが話してしまっていたので、ここでいったん話をやめて、妻の考えを聞きました。
・今の仕事が辛いことは知っている。やめるかどうかは、また相談してほしい。
・あおむしが将来、負荷の低い仕事に就いてセミリタイアしたいことはわかった。でも私は、転職はあまり考えず、今の仕事に就き続けることを考えている。
・あおむしがセミリタイアするなら、子どもが小学生になるタイミングで、(妻の)実家のそばに引っ越して暮らしたい。
・将来的にもう一人子どもが欲しい。なので、その子が増えても生活できる程度の資産までは増やしたい。
・セミリタイア後の仕事は、稼いでくれるなら何でもいい。ただ、副業のために家族との時間を犠牲にするのはやめてほしい。
妻としても、急に切り出された話であったにもかかわらず、色々と考えて丁寧に話してくれました。(正直なところ、もっと反発されるかと思っていました。)妻の考えを受け止め、今後のセミリタイアに向けて私は、以下の約束をしました。
①セミリタイア後の住まいは、妻の考えを優先して考える。ただ、将来の話は今すぐには決められないので、これからも定期的に話し続ける。
②子どもが増えても良いよう、セミリタイアする/しないに関わらず資産は増やし続ける。今の生活も、少ないお金でより充実感を持って暮らしていけるように、家計簿とお金の使いみちを定期的に振り返る。
③復職後、今の仕事はできるだけ定時で切り上げ、家族との時間を増やす。また、副業や一人でやる趣味、今だとブログや読書・ゲームは、家族が起きている日中はやらない。早朝や通勤中の電車でやる。
お金と将来の話を定期的にするように
こうやっておおまかにお金と将来についての方向性を決めたところで、最後に次回の話を1か月後に約束して、今回の話は終了しました。それ以来、妻とは毎月最初の休日にお金と将来の話をする時間を作るようにしています。
最初の話をするのはとても勇気がいりましたが、それ以降は比較的気軽に話をすることができています。これまでずっと避けていたお金と将来の話も、毎月はじめのイベントに設定したことで、今では楽しみです。なにより、将来について妻と考え作り上げていく過程は、私にとっては妻とようやくちゃんとした夫婦になれた気がして、人生の中で大きな幸せを感じるひと時になりました。
最後に
今後も、お金と将来についての話は続いていきます。
時には意見が合わない時も出てくるかもしれません。そんな時でも、最初に話をした時や、話す中で幸せを感じている時を思い出し、丁寧に意見を交わし、妻や家族と向き合っていきたいです。
ではまた。