セミリタイアを目指すにあたって、「どこに住むか」と「住居はどうするか」という住まいの問題があります。今回は「住居はどうするか」にフォーカスして、あおむしの現在の考えを整理してみました。
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住居に求める条件を言語化してみる
セミリタイアを達成するうえで、住居にかかる費用は最もインパクトの大きい項目です。私が目指しているセミリタイア後の生活では、月の生活費は22万円ほどです。
例えば、ここに家賃やローンの支払いで毎月6万円の支出があったとしたら、それだけで生活費の1/4以上を使ってしまい、他に使ったり貯めたりするお金が減ることになります。一方で、安い住居に住めれば良いかというと、そうもいきません。安すぎる住居というのは、往々にして利便性や快適性が悪かったり、治安が悪かったりするため、”生活の満足度を上げる”というセミリタイア最大の目的を損ねてしまう可能性があるからです。
費用が高すぎず、かつ生活の満足度も高い住居を追求することが、セミリタイア成功の大きなカギになるといえます。これだと表現があいまいなので、あおむしにとってどのくらいの水準が求める住居にとってふさわしいのか、言語化してみます。
言語化1:費用が高すぎない
・・・あおむしにとっては、セミリタイア後生活費のせいぜい20%、すなわち3~4.5万円くらいの家賃やローン返済額が「高すぎない」と考えます。(上の記事では家賃3万円試算なので、やや低いですね)
それ以上だと、生活費に占める割合が多くなるため、もっと稼ぐor他の支出を切り詰める必要がでて、時間か満足度のどちらかを切り捨てなければなりません。一方で、それ以下では、訳アリ物件などになってきて、次に述べる満足度の高い住居の要件は満たさなくなってしまいます。
言語化2:満足度の高い住居
・・・あおむしにとっては、以下の条件が満足度の高い住居の条件です。
・夫婦別々で居られるスペースとキッチンがあること
⇒常に家族3人で同じ部屋にいると、息苦しく感じます。また、どちらかが風邪をひいたり疲れていたりする時は、もう片方に子どもを任せて、ゆっくり寝たいときもあります。そのため、居室は最低でも夫婦どちらかが1人になれるスペースが欲しい所です。
また、セミリタイア生活をするうえでは自炊が欠かせません。時間も今よりできるので、料理を楽しむ余裕もできるようになるはずです。そのため、キッチンスペースも必須になります。
以上を考慮すると、住まいの間取りとしては3人家族なら1LDK~2DK、家族がもう一人増えて4人家族になったら3DKは必要になると考えます。
・セミリタイア後の通勤先・学校に近いorリモートワークできる環境があること
⇒セミリタイア後にどんな職業に就くかは、まだ決まっていません。候補としては、週3~4ほどで働けるパート、アルバイト、非常勤職員か在宅でできる仕事になります。
前者の場合、通勤する必要があります。生活の満足度を落とさず、自分のやりたいことにかける時間を減らさないためには、通勤にかける時間はできるだけ少なくしたいものです。どのくらいの時間が自分にとって「少ない」のか言語化すると、それはお互いの勤務先まで徒歩で30分以内です。気分がいいときは散歩しながら通勤し、急いでいるときは自転車でサッと移動できる。これくらいの距離が最適だと考えます。
後者の場合、基本的に仕事は在宅で完結するので場所は問いません。しかし、常に家にいると煮詰まってしまうため、図書館やカフェなど、外で仕事できるスペースが近いことが望ましいです。
また、いずれの場合も子どもは学校に通うため、小学校と中学校はできる限り近いほうが良いです。ただ、極端な過疎地でない限り、これらはどこにもあるので、あまり迷うことはなさそうです。
・図書館が近くにあること
⇒セミリタイア後は、以下記事の体験ですっかり趣味になってしまった読書することにも時間を使いたいです。本は買うとお金がかかってしまうので、図書館で借ります。また、上でも述べたように、図書館は仕事をするスペースにもなるので、一石二鳥です。借りたいとき/返したいときにすぐに行けるように、図書館は勤務先と同じく徒歩30分以内にあって欲しいです。
・近隣住民との関わり
⇒あおむしはコミュニケーションが苦手です。そのため、近隣住民との親密すぎる関係や、逆にトラブルに巻き込まれるようなことは避けたいです。
親密すぎる関係とは、家族ぐるみで交流を強いられることを指します。また、地方に住むなら強制的な地域活動への参加は避けて通れませんが、月に1~2回程度が許容範囲です。
また、トラブルとは騒音や異臭、治安の悪さなどです。夜中まで大騒ぎしていたり、異臭がするゴミを放置していたりする住人が近所にいることは、大きなストレスになります。逆に、子どもの声などでこちらが迷惑になる場合もあります。できるだけ気を付けようと心がけますが、それに対して過敏な方がいる場合もまた、ストレスになります。
また、子どもが学校でいじめにあって不登校になってしまったり、相手の親とトラブルになることも予想されます。これらも家族全員の生活満足度を下げる要因になります。
こういったことに巻き込まれた場合、最終手段として関係を断ち切るために引越せるということも条件の一つになります。
一方で、以下の条件は満足度に影響しません。
・階数
⇒賃貸やマンションの場合、住む階数は低層階でも高層階でも気になりません。しいて言えば、高層階ならエレベーターがあると便利ですが。
・多少の古さ・ボロさ(安全性さえ確保されていればOK)
⇒築年数については、安全性の維持のために大規模なリフォームが必要でない限りは、多少の古さやボロさは気にしません。内装に関しては、DIYでいくらでも新しく見せることができます。
・公共交通機関までの近さ
⇒セミリタイア後は車を手放す予定です。しかし、通勤先や学校へは徒歩や自転車で移動するし、年に数回の旅行もレンタカーを借りたり、タクシーで駅まで行けばよいので、公共交通機関までの近さは問いません。
どのような住居が自分に合っているか
住居に求める条件を言語化したので、次にどのような住居の種類が自分にとって良いのかを考えていきます。
家族がいるあおむしにとって、セミリタイア後に現実的に住むことが可能な住居の種類は賃貸、持ち家、実家の間借りのいずれかになります。(なお、他の候補としてはシェアハウス、老人ホーム、アドレスホッパー、キャンピングカー、ホームレス?などです。いずれも家族持ちには非現実的です。)
これら3つが、上で挙げた条件にどれだけ合致しているのか、ひとつひとつ見ていきます。
賃貸
⇒賃貸は間取り、設備、立地など多くの条件を選べるため、自由度が高いです。地方の第2、第3都市くらいなら、家賃3~4.5万円の範囲で1LDK~3DKのアパートもあります。また、そのくらいの都市ならパートやアルバイトができる勤務先や図書館も、比較的近くにある場合が多いです。築年数はその分古くなりますが、気になりません。
また、人間関係のトラブルなどに巻き込まれた時の引越しも、賃貸ならフレキシブルに行えます。退去費用や初期費用などまとまった費用はかかりますが、セミリタイアするだけの資産はできているため、十分に対応することができます。
一方で、当面は問題になりませんが、高齢になってくると賃貸への入居を断られる可能性も出てきます。また、高齢だと外出する時も公共交通機関がないと不便になってきます。ただ、最近はネットやリモートで完結するサービスが増えています。医療や宅配の分野でこれらが進めば、立地はあまり気にならなくなってくる可能性もあります。いずれにせよ、ずっと賃貸に住み続けるかどうかは、見直す時が来ると考えておいたほうが良さそうです。
持ち家
⇒同じ場所に定住する場合、持ち家は候補に挙がってきます。新築の場合ならば、価格が高くなりますが間取りや設備などは自分で決めることも可能です。しかしながら、セミリタイアという生活をする上では、持ち家はリスクが多いとあおむしは考えています。
まず、価格が非常に高くなります。地方の第2、第3都市の郊外であっても、比較的安い平屋でも土地+住居で取得価格は1500万円を超える場合が多いです。中古住宅ならば1000万円以下でも取得可能ですが、老朽化に伴って大規模なリフォームが必要になる場合もあり、結果として1500万円は超えそうです。
また、持ち家を持つということは、その場から離れられないことも意味します。住宅価格が上がり続けている外国の場合、家はリセールバリュー(売却したときの価値)が高いため、引っ越しもそこまで大変ではありません。しかし、日本では都心の一等地でもない限り、住宅は取得とともに価値が激減していきます。そのため、セミリタイアしてから住宅を売却して引越すことは、資産を大きく損ねるリスクがあります。
このような状況で近隣住民とのトラブルに巻き込まれると、逃げ場がありません。日々の生活に大きなストレスをかかえながら生活していかなければならないのです。これは、あおむしが求めるセミリタイア生活とは程遠いものです。
しかし、未来永劫持ち家を考えないかというと、そうでもありません。最近は3Dプリンターの技術が成熟しつつあり、総費用が数百万円以下の安価・コンパクトな住居が近い将来登場するのではないかと考えています。このような住宅が出てくる世の中になれば、持ち家を前向きに考ます。
実家の間借り
⇒最終手段として、夫婦どちらかの実家を間借りするということも考えています。住宅ローンはどちらも払い終えているため、純粋な居住費は毎年の固定資産税くらいです。
もちろん、間借りさせてもらっているのでお礼金や生活費・リフォーム代の折半などは出てくると思います。しかしそれらを加味しても、総費用はうえ2つに比べて大きく抑えられるでしょう。
また、両親が近くにいることでまだ小さな子どものお世話も協力してもらえるし、逆に両親が病気や介護が必要な状態になっても、近くで面倒を見ることができます。このように、実家を間借りしての同居は家族間にとってWIN-WINというメリットがあります。
一方で、プライベートな空間の確保はかなり難しくなります。もともと二世帯住宅ではないので、私たち家族の部屋はなんとか1室分けてもらえるくらいだと思います。常に家族や両親と一緒にいる環境は、セミリタイア後の生活の中で息苦しく感じてしまい、一人の時間を作るための外出やストレス発散の浪費が増えて、生活コストが上がってしまうリスクがあります。
いまのところの結論
こうしてブログに綴ることで、住居に求める条件を言語化し、それぞれの住居に対するメリット・デメリットを洗い出すことができました。
これらを考慮した結果、セミリタイア後の住居として(今のところ)あおむしが考えているのは、地方の第2、第3都市にある、家賃3万円台・間取り2DKの賃貸となりました。
一方で、高齢化したときの懸念点(利便性や入居拒否)を見据えて、50代~60代前半の時点で、3Dプリンターなどの技術を使った500万円以下の持ち家もしくは安全性を確保するためにリフォームした実家のいずれかに引越すことを検討します。
最後に
今回のブログを書く中で、セミリタイア後の住居についてじっくり考える機会ができました。ただし、これらのアイディアはまだ家族と共有はできていません。毎月初めの夫婦で家計の振り返り/将来について話す場で、今度話してみようと思います。その内容も後日、記事にします。
また、セミリタイア後の住まいについて、実家の間借り以外の選択肢では「どこに住むか」も重要です。こちらについても長くなりそうなので、別の記事で考えていきます。
ではまた。